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当記事では、オンラインカジノを利用したねずみ講やマルチ商法についてくわしく解説しています。
オンラインカジノが日本で人気になり始めた2014年~2015年には、ねずみ講が横行していました。2023年現在でもオンラインカジノのマルチ商法は多く存在します。
記事内では、過去の事件をもとに、オンラインカジノを利用したねずみ講やマルチ商法の手口を解説します。法律的な分類もまとめているので、ぜひ最後までご覧ください。
ねずみ講とは
ねずみ講とは、加入者が下位の会員をねずみ算的に増やしていき、加入金以上の利益を得るシステムです。
たとえば、1人につき2人の会員を紹介していくとピラミッドのような組織図ができあがります。2人紹介すればいいとなると自分にもできそうな気がしますが、実際は簡単ではありません。
また、ねずみ講のシステムは、人口が有限であることから最終的には崩壊するようになっています。具体的なシミュレーションは以下のとおりです。
※すべての会員が1ヶ月に2人紹介すると仮定します。
日数 |
人数 |
1ヶ月目 |
1人 |
2ヶ月目 |
3人(1+2) |
3ヶ月目 |
7人(3+4) |
4ヶ月目 |
15人(7+8) |
5ヶ月目 |
31人(15+16) |
上記のように増えていくと27ヶ月ほどで日本人口を超えてしまいます。これではビジネスが成り立ちません。
ねずみ講の違法性
ねずみ講は、無限連鎖講の防止に関する法律の「無限連鎖講」に違反するとして法律で禁止されています。
ねずみ講に加入しただけでは犯罪になりませんが、勧誘してしまうと行政処分の対象です。処分の内容は以下のとおりです。
- ねずみ講を開設または運営:3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金またはこれらの併科
- ねずみ講へ勧誘を仕事としている場合:1年以下の懲役または30万円以下の罰金
- ねずみ講への勧誘:20万円以下の罰金
もちろん、知らなかったでは済まされません。勧誘しなくても、加入するだけで入会金を損してしまうので注意しましょう。
ねずみ講とマルチ商法の違い
ねずみ講と似ているものにマルチ商法やネットワークビジネスがあります。
ねずみ講は法律で禁止されていますが、マルチ商法やネットワークビジネスは法律で禁止されていません。ただし、仕組みが似ていることから特商法により厳格なルールが定められています。
具体的な線引きはお金を集める目的です。ねずみ講が金品の受け渡しを目的としているのに対して、マルチ商法では商品の販売や利益を目的としています。
たとえば、オンラインカジノの商材で紹介者との直接的なお金のやり取りがあればねずみ講に該当します。しかし、商品を提供している企業にお金を払い紹介者が企業から報酬を受け取る場合はマルチ商法です。
オンラインカジノのねずみ講やマルチ商法
オンラインカジノには、ねずみ講やマルチ商法、詐欺など多くのリスクが潜んでいます。稼ぎたい人が集まっているため、狙われやすい市場ということです。
しかし、手口や実態を把握しておけば簡単に引っかかることはありません。
ここでは、実際の事例をもとに、オンラインカジノに関連するねずみ講やマルチ商法について深掘ります。
オンラインカジノのマルチ商法と逮捕事例
2022年9月には、オンラインカジノの儲け話に関する不正勧誘で逮捕事例がありました。具体的な内容は以下のとおりです。
- オンラインカジノの利用者を増やせば紹介料を得られる
- 利用者の賭け金の一部も受け取れる
- 入会金は75万円(オンラインカジノの登録とは別)
マルチ商法ではありますが上記だけでは逮捕できません。しかし、契約書を交付していない点と事実を伝えていなかった点で逮捕状を発行できました。
賭け金の一部は受け取れるものの「毎月2万5千円のベットが必要」という点を伝えていなかったようです。
参考:ネットカジノ勧誘にマルチ商法の仕組み…「とんでもない報酬得られる」と数十億円集金か-読売新聞オンライン
オンラインカジノは法律的にグレーなので、万が一被害にあっても公表しにくいですよね。そのため、ねずみ講やマルチ商法がつけこみやすい分野といえます。
ねずみ講やマルチ商法でよくある手口
ねずみ講やマルチ商法では直接勧誘が基本です。HPやWeb記事など簡単に追跡される販売手法は利用されません。
たとえば、上記の逮捕事例では以下の勧誘手法をとっていました。
- 友人からの勧誘
- マッチングアプリで知り合って勧誘
- SNSのDMから勧誘
定期的に説明会を開催し、上記で集めた「副業に興味がある」人たちを直接勧誘しています。参考記事ではオフラインの説明会を紹介していますが、オンラインの説明会や電話での営業など手口はさまざまです。
副業や稼ぐなどのキーワードで集める傾向があり、対面や電話など直接話せる状況をつくりだしています。
ねずみ講やマルチ商法を見分ける方法
すでに紹介したとおり、ねずみ講やマルチ商法は直接勧誘で会員数を増やしています。また、勧誘内容に違和感があるケースも少なくありません。
ここでは、オンラインカジノを利用したねずみ講やマルチ商法への対策を解説するので、ぜひ覚えておいてください。
突然のフォローやメッセージは疑う
顔見知り程度の友人や知らない人からのフォローおよびメッセージは、勧誘の可能性が高まります。近年はSNSからの勧誘が増えているため特に注意が必要です。
プライベートでSNSを利用するケースを思い出してください。
趣味アカウントやサブアカウントであれば色々な人に絡むかもしれませんが、急にフォローしてDMを送ることは多くありませんよね。プライベートアカウントであれば知らない人をフォローすることはないでしょう。
心当たりがないフォローや連絡は、勧誘ビジネスの可能性があるので警戒しましょう。
「副業」や「稼げる」はありがちな誘い文句
ねずみ講やマルチ商法では、副業や稼げるというキーワードが頻発します。
たとえば、急に「オンラインカジノの勧誘に興味ない?」と聞かれても相手にしないでしょう。
これが勧誘ビジネスのうまい点です。多くの人が稼ぎたいという欲求を持っていますし、副業を考えている方も増えています。特に、近年の日本は副業の重要性が急増し、一般化しつつありますよね。
「副業に興味があるか」という単純な質問であれば、YESを引き出して誘導しやすくなります。クリーンな副業は数え切れないほどありますが、クリーンであるほど怪しまれる勧誘はしません。
オンラインカジノの登録に費用はかからない
正当に運営されているオンラインカジノであれば、登録の費用は一切かかりません。オンラインカジノへの登録と入会金は必ず分けて考えてください。
たとえば、新規オンラインカジノをうたっている詐欺では「登録にお金はかかるが利権として運営の数%をもらえる」とするパターンもあります。しかし、立ち上げ段階のオンラインカジノであっても、有料登録制の場合はライセンス審査に通らないでしょう。
マルチ商法であることを隠す売り文句として「登録は有料」としているだけなので、騙されないように注意してください。
また、個人ユーザーに利権を配る違和感にも気づけるとよいですね。
まとめ
当記事では、オンラインカジノを利用したねずみ講やマルチ商法について、実際の事例から現状や対策を解説しました。
オンラインカジノは法律的にグレーという点もあり、ねずみ講やマルチ商法に狙われやすいジャンルです。配当や紹介のほかにも、有料の必勝法を販売している方もいます。
もちろん、すべてが悪いものではありませんが、警戒しておくに越したことはありません。
簡単に稼ぎたい気持ちは理解できますが、少なくとも記事内で紹介した注意点を念頭においた上で判断してください。